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口腔ケア・歯科

歯磨きしても口臭が気になる人へ|歯科衛生士が解説する口の中と腸内環境の関係

2026/5/31 公開 2026/6/11 更新

歯磨きしても口臭が気になる人へ|歯科衛生士が解説する口の中と腸内環境の関係

※本記事はアフィリエイト広告を含む場合があります。紹介する商品・サービスは筆者が実際に使用・検討したものに限定しています。

📌 この記事でわかること

  • 口臭の原因は「口の中」と「からだの内側」の大きく2つ
  • まずケアすべきは口の中(歯周病・舌のよごれ)
  • 「歯磨きしても気になる」ときに見直したい腸内環境のこと
  • うがい薬の使いすぎ注意と「菌で菌を抑える」新しい考え方

「毎日しっかり歯を磨いているのに、なんだか口臭が気になる」——歯科衛生士として働いていると、こうしたご相談を本当によく受けます。

口臭はとてもデリケートな悩みですが、原因を整理すると対策が見えてきます。実は口臭の原因は、大きく分けて「口の中」と「からだの内側(おもに胃腸)」の2つがあるといわれています。この記事では、歯科衛生士として知っておきたい両面を、口の中・からだの内側の順に整理していきます。

※ 私は歯科衛生士であり、医師ではありません。胃腸や全身の不調が疑われる場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。

まず知っておきたい|口臭には「誰にでもあるもの」もある

対策の前に、ひとつ安心していただきたいことがあります。口臭には「生理的口臭」と「病的口臭」があるということです。

  • 生理的口臭:朝起きたとき・空腹時・緊張したときなどに一時的に強くなるにおい。だ液が減って菌が増えやすくなるためで、誰にでもあり、過度な心配はいりません。水分補給や朝の歯みがき・舌ケアでやわらぎます
  • 病的口臭:歯周病・むし歯・舌苔、あるいは胃腸など全身の状態が関わる「続くにおい」。こちらはケアや受診で原因にアプローチします

「自分の口臭が気になる」という方の多くは、実は生理的口臭の範囲ということも少なくありません。とはいえ自分のにおいは気づきにくいもの。気になって落ち着かないときは、歯科医院で口臭測定(専用機器で数値化)を受ける方法もあります。

口臭の8〜9割は「口の中」から

まず大前提として、口臭の原因の約8〜9割は口の中にあるとされています(日本歯科医師会などの情報による)。代表的なのは次の3つです。

  • 歯周病:歯周ポケットの中で細菌が増え、強いにおいの原因になります。口臭の最大の原因ともいわれます
  • 舌のよごれ(舌苔/ぜったい):舌の表面につく白っぽい汚れにも、においの原因菌がすみつきます
  • むし歯や、古い詰め物・かぶせ物のすき間

においの正体は、これらの場所で細菌がタンパク質を分解してつくる「揮発性硫黄化合物(VSC)」——硫化水素やメチルメルカプタンといったガスだとされています。

つまり口臭ケアの基本は、やはり口の中。まずは歯周病のチェックと、後ほど触れる「舌のケア」から始めるのが近道です。

「歯磨きしても気になる」とき——からだの内側にも目を向ける

では、口の中をきちんとケアしているのに口臭が気になる場合はどうでしょう。ここで関わってくるのが胃腸(消化器)や腸内環境です。

口臭にはいくつかの分類があり、その中には消化器や全身の状態が関わるタイプもあるとされています。腸内で発生したにおいの成分が血液を通じて全身をめぐり、最終的に肺から呼気として出てくる、という経路(いわゆる血行性の口臭)も考えられています。ただしこれは口臭全体の中では一部であり、メカニズムには個人差や、まだはっきりしていない部分もあります。

とくに便秘が続いている・おなかの調子が悪い・高脂肪/お肉中心の食生活が続くと、腸内の悪玉菌が優位になりやすいといわれます。腸内環境の乱れが、めぐりめぐって口臭に影響する可能性がある、というわけです。このあたりは別記事歯周病と腸は関係ある?でくわしく解説しています。

【注意】市販の胃薬(胃酸を抑える薬)を自己判断で長く飲み続けると、小腸で細菌が増えすぎる状態(SIBO)につながる可能性も指摘されています。気になる胃腸症状が続くときは、薬を続ける前に医療機関に相談してください。

意外と見落としがち——「舌」のケア

口の中の対策で、歯みがきと同じくらい大切なのが舌のケアです。舌苔は口臭の大きな原因の一つ。ただしゴシゴシ磨くのは逆効果です。

  • 専用の舌ブラシ(タングスクレーパー)をやさしく使う
  • 歯ブラシで舌を磨くと、汚れを奥へ押し込んでしまうことがあるため注意
  • 朝1回、奥から手前へ「軽く」が基本。やりすぎは舌を傷つけます

舌磨きのくわしいやり方・道具の選び方は、舌磨きの正しいやり方でくわしく解説しています。

うがい薬は「使いすぎ」に注意

「殺菌力の強いうがい薬を毎日使えば口臭も防げる」と思われがちですが、近年は少し違う見方も出てきています。

口の中には、悪い菌だけでなくからだに役立つ菌もいます。その一部は血管をひろげる「一酸化窒素」づくりに関わっているとされ、強い殺菌成分で口内をまるごと殺菌しすぎると、こうした菌まで減らしてしまうのではないか——という研究も報告されています(血圧との関連を指摘する研究もあります)。

そのため、これからの口腔ケアは「すべて殺菌する」より「良い菌を活かして悪い菌を抑える」方向が注目されています。洗口液は目的に合わせて選び、毎日強いものを使い続けるより、必要に応じて使い分けるのがおすすめです。選び方は洗口液(マウスウォッシュ)おすすめ5選を参考にしてください。

新しい話題|「菌で菌を抑える」口腔ケア

腸活でおなじみの「善玉菌を増やす」という発想が、口の中にも応用され始めています。

オーラルプロバイオティクスと呼ばれるもので、ロイテリ菌(L.ロイテリ)やL.サリバリウスなどの菌を補い、口臭やお口の環境にアプローチする考え方です。歯肉炎や口臭の軽減について報告がある一方、効果には個人差があり、まだ研究が進んでいる分野でもあります。タブレットなどを取り入れる場合は、歯科医院で相談すると安心です。

また歯周病の新しい治療として「ブルーラジカル(P-01)」という方法も登場しています。青色レーザーと過酸化水素を組み合わせて歯周ポケット内の細菌にアプローチするもので、国内で歯周病治療用の医療機器として承認されています。切らずに行える点が注目されていますが、適応・効果・費用は人によって異なるため、受けられるかどうかは歯科医院での相談が前提になります。

食事の小ワザ|ニンニク後の「リンゴ」と「緑茶」

食べ物由来の一時的なにおいには、ちょっとした工夫が知られています。

  • ニンニクのあとにはリンゴ:リンゴのポリフェノールが、ニンニクのにおい成分をやわらげる働きがあるとされています。皮ごとがおすすめです
  • 緑茶:カテキンの抗菌作用で、一時的な口臭ケアに役立つ可能性があります

いずれも「治す」ものではなく、あくまで一時的なエチケットとして。根本のケアは口の中と腸内環境です。

今日からできる口臭ケアまとめ

口の中とからだの内側、両面からアプローチするのがポイントです。

口の中

  • 歯科医院で歯周病チェック・歯石除去を受ける
  • フロスや歯間ブラシで歯と歯の間をケア(フロスのコツはこちら
  • 舌は専用ブラシでやさしくケア

腸内環境

  • 食物繊維と発酵食品を意識する(腸活おやつのすすめ
  • 便秘をためこまない
  • 胃薬の自己判断による常用は避ける

習慣

  • こまめな水分補給で口の中をうるおす(サラサラの唾液は口臭予防の味方)
  • ストレスをためすぎない(緊張すると唾液が減りがちです)

まとめ|口と腸は、つながっている

口臭の大半は口の中が原因ですが、「ちゃんとケアしているのに気になる」ときは、腸内環境というもう一つの視点が助けになることがあります。口の健康とからだの内側の健康は、思っている以上に深くつながっています。

気になる症状が続くときは、まず歯科医院で口の中をチェックし、胃腸の不調が疑われる場合は医療機関にも相談を。両面から少しずつ整えていきましょう。

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参考文献

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