スーツケースをやめて3年|4人家族がバックパック旅行に切り替えた理由と選び方
2026/5/7
スーツケースをやめた理由
我が家は夫婦と子ども2人(11歳・10歳)の4人家族です。以前は旅行のたびにスーツケース2台+手荷物バッグという組み合わせで移動していました。
ところが、家族でダイビング旅行やスキー旅行に行く機会が増えるにつれて、スーツケースの限界を感じるようになりました。
- 空港のエスカレーターが混んでいると、大人2人がスーツケースを持ちながら子どもの手を引けない
- 離島のフェリーターミナルや港の桟橋で、キャスターが砂利や段差に引っかかる
- スキー場の駐車場から宿までの雪道で、スーツケースがまったく転がせない
- LCCの受託手荷物料金が家族4人分だと往復で1万円を超えることがある
「1人1つ、自分の荷物は自分で背負う」というバックパックスタイルに切り替えたところ、移動のストレスが大幅に減りました。3年以上この運用を続けていますが、スーツケースに戻る気はありません。
バックパック旅行のメリット・デメリット
メリット
1. 圧倒的な軽さ=持てる荷物が増える
スーツケースとバックパックの最大の違いはバッグ自体の重量です。一般的なスーツケース(60L前後のハードケース)の重量は4〜5kg。一方、バックパック(55L)は1〜1.5kg程度です。
航空会社の受託手荷物には重量制限があり(多くの航空会社で20〜23kg)、これを超えると超過料金が発生します。バッグ自体が3〜4kg軽いということは、その分だけ荷物を多く入れられるということ。家族4人分で考えると、合計12〜16kgの差になります。各航空会社の重量制限は事前に確認しておくことをおすすめします。
2. ソフトケースならではの柔軟性
スーツケース(ハードケース)は形が決まっているため、中身が少なくてもサイズは変わりません。バックパック(ソフトケース)は荷物の量や内容に応じて形が変わるため、隙間なく効率的にパッキングできます。
これが特に効果を発揮するのがレンタカーでの移動です。スーツケースを1人1台運用すると、レンタカーのサイズによってはトランクに収まらないことがあります。バックパックなら形を変えて積み込めるので、コンパクトカーでも4人分の荷物がしっかり入ります。
3. 両手が空く
子どもと手をつないだり、階段や悪路でもバランスを崩しにくい。砂浜、雪道、石畳、階段のみのアクセス…地形を選ばず移動できます。
4. アウトドアとの兼用
旅行専用バッグが不要です。海にも山にも同じバッグで行けるため、用途別にバッグを買い足す必要がありません。
5. 学校行事にも活用できる
修学旅行や林間学校など、荷物が多い学校行事にもそのまま使えます。周りのお子さんを見ていると、行事のたびに大きなバッグを買い足しているご家庭も少なくありません。普段の旅行で使い慣れたバックパックがそのまま使えるのは、コスト面でも合理的です。
6. シンプルな構造で家族全員が運用しやすい
我が家が使っているパタゴニアのブラックホール・ダッフルは、容量が違っても基本構造と形状が同じです。これが地味に大きなメリットで、宿泊先やレンタカー内での収納に困りません。
家族全員が同じシリーズを使っているため、自分のバッグだけでなく、家族のバッグの中身もすぐに把握できます。「あの荷物どこに入れた?」のやり取りが格段に減りました。
7. 子どもの自立心が育つ
「自分の荷物は自分で持つ」が自然に身につきます。パッキングも自分でやるようになり、旅行の準備力が身についてきました。
8. 自宅での保管がラク|これが最大のメリットかもしれない
実はこれがバックパック運用で一番ありがたいポイントかもしれません。バックパックは折りたたんで最小限の状態で保管できます。クローゼットの隅やシェルフの上に、コンパクトにまとめて置いておけます。
スーツケースは使わない時でもあの大きさのまま。マンションや戸建てのクローゼットで場所を取り、保管場所に苦慮しているご家庭は多いのではないでしょうか。バックパックなら、4人分でもスーツケース1台以下のスペースで保管できます。
デメリットと我が家の対策
重さが直接体にくる → 「背負わない運用」で解決済み
バックパックは重さが肩や腰に直接かかります。ただし、我が家の場合はバックパックを背負って移動するシーンがほとんどありません。
- 空港到着後はすぐに預け荷物へ:空港に着いたらバックパックはチェックインカウンターで預けてしまいます。保安検査は手ぶら、または必要最小限の手荷物だけ
- 現地移動:レンタカーを使うことが多い我が家は、バックパックは宿やレンタカーに置いて、身軽な状態で行動する体制をとっています
つまり、バックパックを背負って歩き回るという状況が、我が家にはほぼありません。この割り切りが、重さのデメリットをほぼ解消してくれています。
フォーマルな場には不向き → 預ける前提で運用
ホテルのロビーでバックパックは少し浮くことがあります。ただし、基本的には宿泊先、レンタカー、またはコインロッカーに預ける運用なので、バックパックを持ったまま行動することは少ないです。
お土産の容量問題 → 工夫次第でむしろ快適
重さを直接体で感じるからこそ、お土産を買いすぎなくなったというのは、ある意味メリットかもしれません。
我が家の工夫として、各バックパックに空きスペースがある場合は、家族の荷物を集約して1つのバックパックをお土産専用にすることもあります。ソフトケースなので形が変わる=お土産の形に合わせて収納でき、形が壊れやすいお土産もバックパックの中でしっかり保護しながら機内に持ち込めるのは、ハードケースにはない利点です。
どうしても大きなお土産を買いたい場合は、現地から自宅に郵送するという代替案も持っています。
家族旅行用バックパックの選び方|5つのポイント
バックパックと一口に言っても、登山用・旅行用・通勤用で設計思想がまったく違います。家族旅行で使う場合、以下の5つを意識して選ぶと失敗しにくいと感じています。
1. 容量:大人40〜55L、子ども25〜35Lが目安
2泊3日の国内旅行であれば、大人1人あたり40〜55Lで十分収まります。子どもは25〜35L程度が体格とのバランスが良い範囲です。
ただし容量が大きければいいわけではなく、大きすぎると「入るから詰める→重くなる」の悪循環に陥ります。「少し余裕がある」くらいが理想です。
2. 開口部の設計:パネルオープン型が旅行向き
登山用バックパックに多いトップローディング(上から入れるだけ)は、旅行には使いにくいことがあります。パネルオープン型(U字やフルオープン)なら、スーツケースのように中身を広げて整理できます。
3. 素材の耐久性と防水性
海でも雪山でも使うなら、耐水性のある素材+止水ジッパーの組み合わせが安心です。完全防水でなくても、小雨や雪、波しぶき程度をしのげれば実用上は問題ないと感じています。
4. 背面システム:長時間背負っても疲れにくいか
肩ストラップの太さ、背面パッドの通気性、ウエストベルトの有無は、長時間の移動で大きな差が出ます。できれば実店舗で背負ってみることをおすすめします。
5. 機内持ち込みサイズの確認
LCCを含む多くの航空会社では、機内持ち込み手荷物の3辺合計が115cm以内とされています(航空会社によって異なるため、利用する航空会社の規定を事前確認してください)。55L以上のバックパックは基本的に受託手荷物扱いになります。
我が家が実際に使っているバックパック
パタゴニア ブラックホール・ダッフル 55L|海も山もこれ1つ
我が家のメインバッグです。家族4人、1人1つずつ持っています。「海も山もこれさえあればどこでも行ける」と断言できるくらい、我が家の旅行の中心にあるバッグです。
ブラックホール・ダッフルは「ダッフルバッグ」と名前がついていますが、バックパックストラップが付属しているため、背負って移動できます。手持ち・肩がけ・バックパックの3WAYで使えるのが最大の利点です。
3年間使って感じたポイント
- 素材がとにかく丈夫:リサイクルポリエステルにTPU(熱可塑性ポリウレタン)ラミネート。砂浜に直置きしても、雪の上に放り出しても、まったく気を使わなくていい
- U字型の大開口:ジッパーを開けると中身が一覧できる。パッキングも取り出しもスーツケース感覚
- 濡れものに強い:ダイビング後のウェットスーツやタオルを入れても、外に水が染みにくい
- 55Lという容量:2泊3日なら余裕、3泊4日でもパッキング次第で対応できる
- 容量違いでも構造が同じ:40L・55L・70Lとサイズ展開があるが、基本構造は同じ。家族で違うサイズを使っても運用感が統一される
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ザ・ノース・フェイス チュガッチ 35|雪山に特化した頼れる相棒
雪山での遊び(スキー・スノーボード・雪遊び)に使っているのが、ノースフェイスのチュガッチ 35です。
このバックパックはバックカントリー向けに設計されたテクニカルパックで、雪山での使い勝手に特化した機能が詰まっています。
雪山で使って実感した機能
- スキー/スノーボードキャリー:板を外付けできるので、リフトに乗らないエリアでも両手が空く
- ヘルメットホルダー:ヘルメットを外側に固定できる。子どものヘルメットも引っ掛けられて便利
- バックパネルアクセス:背面からも荷物にアクセスできるため、雪の上でバッグを下ろさなくても中身を取り出せる
- 630Dコーデュラバリスティックナイロン:底面やフロントに高耐久素材を使用。雪や岩場でのハードな使い方に耐える
35Lと容量はコンパクトですが、日帰り〜1泊の雪山行動には十分です。ブラックホール・ダッフルとの使い分けで、旅行全体の荷物はダッフルに入れて車に積み、ゲレンデでの行動用にチュガッチを背負う、という運用をしています。
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雪山での運用|スノーボード・スキーバッグの活用
スキー・スノーボード旅行では、板やブーツなどの大型ギアがあるため、バックパックだけでは収まりません。我が家では大容量のスノーボード/スキーバッグを「スーツケースの代わり」として活用しています。
ザ・ノース・フェイス ベースキャンプスノーローラー
スキー2組、またはスノーボード1枚+スキー1組を収納できる大容量バッグです。ローラー(キャスター)付きなので、空港やターミナルではスーツケースと同じ感覚で転がして移動できます。
板だけでなく、ブーツ、ウェア、ヘルメット、ゴーグルなどのアクセサリーもまとめて収納できるため、雪山旅行のギアがこのバッグ1つに集約されます。内側は防水素材なので、溶けた雪による濡れも気になりません。
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バートン ウィーリー フライトアテンダント
こちらもキャスター付きのスノーボードバッグで、スーツケースの代用として使っています。スノーボード+ブーツ+ウェア+小物がすべて入る大容量設計です。
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雪山旅行での荷物運用のコツ
航空会社によっては、預け荷物の重量を家族の合計で計算してくれる場合があります(個人ごとではなく、グループ単位での重量管理)。これを活用して、重いギアバッグと軽いバックパックで重量を配分し、超過料金を避ける工夫をしています。
- 預け荷物:スノーバッグ(板+ブーツ+ウェア)+ ブラックホール・ダッフル(衣類・生活用品)
- 機内持ち込み:チュガッチ35(貴重品・電子機器・すぐ使うもの)
- 預ける荷物の個数・重量配分・機内持ち込みで適宜調整
バッグインバッグ運用|中身の整理整頓が快適さの鍵
バックパック旅行を快適にする最大のコツは、バッグインバッグで中身を整理することです。
我が家では家族全員がトラベルポーチを何種類も持っていて、特に衣類関係はすべてポーチに集約しています。
- 1日分の着替え → 1ポーチ
- 下着・靴下 → 専用ポーチ
- 子どもの着替え → 子ども用ポーチ
ポーチに分けておくことで、バックパックの中をガサゴソ探す必要がなくなります。必要なポーチだけ取り出せばいいので、宿でのパッキング・アンパッキングも早い。家族全員が同じ運用をしているため、「お父さんの着替えどこ?」と聞かれても、同じ色のポーチを渡すだけで済みます。
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シーン別パッキング術
海(ダイビング・シュノーケル旅行)
海の旅行で一番困るのが「濡れもの」の処理です。我が家では濡れたもの専用のバッグを別に持参することで、メインのダッフルを濡らさない運用をしています。
使っているのはパタゴニアのブラックホール・ギア・トート 61L。使用後のラッシュガード、タオル、ウェットスーツなど濡れものはすべてこちらに隔離します。メインのダッフルと同じブラックホールシリーズなので素材の耐水性が高く、濡れたギアを入れても安心です。
- 日焼け止め・サンダルは外ポケット:すぐ取り出したいものは外側のメッシュポケットやサイドポケットに
- 口腔ケアセットは小分けポーチで管理:旅行中も歯磨き・フロスは欠かさず持参しています(歯科衛生士の習慣ですが、旅先こそ口腔ケアが疎かになりがちです)
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雪山(スキー・スノーボード旅行)
- 防寒着は圧縮バッグでコンパクトに:ダウンジャケットやフリースは圧縮すると半分以下のサイズになる
- 板・ブーツ・ウェアはスノーバッグに集約:前述のスノーローラーやバートンのバッグに大型ギアをまとめる
- 着替えは「行動中」と「宿での着替え」を分離:汗をかく行動着と、宿でリラックスする着替えを別のポーチに分けておくと、雪山から戻った後にスムーズ
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共通のコツ
- 「使う順番」の逆で詰める:最初に使うもの(到着後すぐ着替える服など)が一番上に来るようにパッキング
- 帰りの「お土産スペース」を計算しておく:行きで満杯にせず、20%程度の余裕を残しておくと帰りに困らない
- バッグインバッグの徹底:前述のトラベルポーチを活用して、カテゴリごとに分けておくのが快適さの源
まとめ|バックパック旅行は「合う家族」にはベストな選択
スーツケースからバックパックに切り替えて3年以上。沖縄の離島、北海道のスキー場、国内各地をバックパック1つで旅してきました。
我が家にとっては「海も山もこれ1つで行ける」パタゴニア ブラックホール・ダッフルが旅行の基本装備になり、雪山のアクティビティではザ・ノース・フェイス チュガッチ 35が頼れるパートナーです。そしてバッグインバッグの運用とシーン別の使い分けで、4人家族の荷物をスマートに管理しています。
そして何より、使わない時に折りたたんでコンパクトに保管できること。これが毎日の暮らしの中で一番ありがたいメリットかもしれません。
ただし、繰り返しになりますが、すべての家族にバックパック旅行が最適とは限りません。お子さんの年齢、旅行先の環境、荷物の量などによって最適解は変わります。
この記事が「スーツケース以外の選択肢もあるんだ」と気づくきっかけになれば嬉しいです。